[新宮市医師会] 現状と今後の対応について
和歌山県および新宮保健所管内における新型コロナウイルス感染拡大状況を受け、新宮市医師会の米良孝志会長は、感染予防対策に向けた心構えや医療機関を受診するに当たっての注意喚起を呼びかけている。
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連日の新聞やテレビの報道通り、当地域におきましても新型コロナウイルス感染症の発生者数は増加の一途をたどっており、新宮保健所管内において7月26日発表では75人の新規感染者が報じられています。「BA・5」のオミクロン株とみられ、第7波と言われ始めております。最近では、学校や家庭さらに職場でのまん延となり、飲食を介した感染以外の感染経路不明の症例が多くなっています。年代層も幼少から高年まで幅広い世代の感染がみられています。しかしながら、国・政府の高官は社会経済活動と感染拡大防止の両立を図り行動抑制は行わないとしております。
私共が新型コロナウイルス感染症を外来にて診察している中で感じることは、感染力が非常に強いということです。家族内ではほぼ100%感染がみられ、少しの時間での接触の機会でも、感染がみられることが多々あります。また、新型コロナワクチンを3回接種していても感染してしまう例が多くみられます。
しかしながらワクチンを接種していない方と比べて症状は意外と軽い感じがします。免疫の弱い方、高齢者や基礎疾患の持ってる方への感染を広げないため、3回目、4回目のワクチン接種と感染防御の個人個人の日々の行動が重要になってきています。
和歌山県・新宮保健所におきましても、7月に入ってからの発生患者数の増加により今まで通りの濃厚接触者調査や検査ができなくなってきております。今回、濃厚接触者の待期期間の見直しがされております。
①感染したら10日間の自宅療養(あるいは入院、ホテル療養)
②濃厚接触者は原則5日間の自宅観察。同居家族はほとんどが濃厚接触者です。さらに、無症状で2日目、3日目に抗原検査(-)であれば解除可能との連絡が来ておりますが、報道のような検査キットは届いておらず、対応が難しいと思います。接触から3日目に発症する例も多いので疑問です。
③一般家庭では、同居家族は濃厚接触者となりますが、保健所での検査は行わないとのことです。咽頭痛、せき、発熱などの症状が出始めたら医療機関を受診してください。
④学校における閉鎖措置の範囲や日数も以前とは多少変わるようです。
以上の内容は保健所業務が感染者数の急激な増加により今までの対応ができなくなってきているためです。またその影響により新宮市内の発熱診察・検査外来は受診患者数が激増し、通常業務にも影響が出始めています。また、診察検査医療機関の保持する検査キットも不足しており、検査機関依頼のPCR検査も結果までの日にちがかかるようになってきております。
医療機関においても抗原検査とPCR検査を患者さまの状況、症状により使い分けておりますのでご理解よろしくお願いいたします。最後に、医療機関受診の際は電話等による予約の上受診してください。順番に対応しております。暑い時期、熱中症の危険性もありますので外で長時間待たすことは行いたくありません。再度出直していただくこととなったりもしますので、受診の予約などをぜひともお願いいたします。
個人個人の基本的な感染対策を徹底し、水分摂取と適温の室温の維持といった熱中症対策にも気を付けて、暑さとコロナを乗り切っていきましょう。
(熊野新聞 2022年7月29日付紙面より)