[新宮保健所] 管内で感染拡大、連休前に注意呼びかけ

 和歌山県は連休を前に25日、「県民の皆様へのお願い」を変更。積極的なワクチン接種とマスク着用などの基本的な感染予防対策の徹底を呼びかけている。

 新宮保健所管内では14日、過去最多となる32人の新型コロナウイルス感染が発表され、27日現在、感染者数は減少傾向にあるものの、いまだ予断を許さない状況が続いている。

 大型連休に突入するに当たり人流の増加が予想される中、新宮保健所の和田安彦所長が注意喚起。改めて感染予防対策の徹底を呼びかけている。

  □     □

■人口当たりコロナ感染者数が県内最大、警戒を
 4月19、20日に、新宮保健所管内における直近1週間の人口10万当たり新型コロナウイルス新規感染者報告数が300人を上回り、県内保健所別で最大になりました。その原因は不明ですが、国全体でもこれまで感染者が少なかった県で過去最大の報告がなされるなど、地方での増加が認められることから、新宮保健所管内の増加も同じ理由があると考えられます。すなわち全国のこれまでに感染した人の割合は約6%なのに対し、和歌山県は4%弱、新宮保健所管内は2%弱であり、感染による集団免疫が少ない可能性があり、これが増加の一因かもしれません。一層のワクチン接種率向上に期待するところです。

 感染経路についてですが、感染力の強いオミクロン株、およびさらに感染力の強いBA.2が主流となった最近では、考え方の転換が求められています。実は国の感染症研究所は世界保健機関(WHO)の見解や国内の研究者の提言を受け、今年3月28日初めて、空気中に漂う細かい飛沫(ひまつ)、すなわちエアロゾルによる感染の危険性を報告書に明記しました。しかもエアロゾル感染を従来の飛沫感染と接触感染の上位に位置付け、対策の重点をエアロゾル感染に移す必要性を示唆する形となりました。この感染症は基本、呼吸器感染症ですので、接触感染は少ないことが分かっています。

 また、飛沫感染阻止に効果のあるアクリル板などのついたてや通気性の良いウレタンマスク、布マスクは、エアロゾルに対しては効果が少ないことに留意してください。エアロゾル対策には「換気」と「不織布マスクの隙間のない着用」が重要となります。

 まず換気については、建物の構造と換気・空調設備の機能を把握した上で、空気の出入り口を確保して空気の流れをつくるなどの工夫が重要であり、不特定多数が出入りする場所では二酸化炭素濃度測定による換気の評価が有効です。

 これまでは「30分に1回窓を開けて換気」といわれていましたが、感染力の強い変異株が相手の場合、特に大人数のいる部屋では実行性に課題もあり、継続的な換気がより有効です。自動車の換気は窓を少しだけ開けるより、空調を外気導入モード設定にしてファンを強めに回す方が有効です。一般に乗用車の場合、車体後方(の見えない所)に排気口があり、上記設定により前から後ろに空気が流れるようになっています。

 不織布マスクは通常3層構造となっており、その中に静電気によりエアロゾルを吸着する層があることから、ウレタンや布より有効と考えられています。子どもさんがウレタンや布のマスクをしていることが多いようです。子どもを守るためにもできるだけ不織布マスクへの切り替えをご検討ください。

 ウイルスを含むエアロゾルなどの粒子は感染者が呼吸すると発生し、大きな声を出したり歌ったりすると放出される粒子の量が増えることが分かっています。粒子の吸入量は、当然のことながら激しい運動時には吸気の増加に伴い増えます。粒子の発生や吸入の仕組みを考えることにより、どんな行為が危険で、どのような対策が有効か考えてみてください。

 検査についてですが、検査の必要性、検査の意義と性能(感度、特異度)、限界、適切な実施時期を確認・理解した上で受けることが重要です。例えば、抗原簡易キットは感度がPCR検査に比べて低く、症状が出ていない時期には陽性とならない場合があります。陰性との結果で安心し過ぎては、逆効果です。

 さらに、症状が出て医療機関を受診する場合は、(感染症に限らず一般的に言えることですが)医師の診断の助けとなるよう、また検査の必要性、方法、時期を判断しやすいように、1週間程度の行動歴や周囲の感染者の有無などをメモで渡していただけたらお互いのメリットとなります。

 5月の連休は人の移動も増えると思います。普段会わない人と不用意に会うことは、その人の最近の行動や周りの感染状況が不明なことから、リスクの高い行為です。「久しぶり!」に危険が潜んでいるかもしれないことを肝に銘じ、安全な行動をお願いします。

  □     □

■PCR検査等期間延長
 県は、連休を迎えて人の往来が増加することなどから、現在県内在住の無症状の人に対して実施している「PCR検査などの無料化(一般検査事業)」を5月31日(火)まで延長すると決定した。対象は無症状で感染に不安のある人。新宮保健所管内のPCR検査等の無料化(一般検査事業)事業実施拠点(4月25日現在)は、なごみ薬局(那智勝浦町朝日、電話050-3699-0753※日・祝日は検査を行っていないが、5月4、5、8日は午前10時~午後2時まで検査を実施する。来店前に必ず電話を)。少しでも症状があれば、無料検査ではなく直ちにクリニックを受診すること。

(熊野新聞 2022年4月29日付紙面より)